令和6年2月定例会 代表質問(1/7)2024/03/05

2月定例会で、代表質問をいたしました。

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能登半島地震を踏まえた本市の防災対策について

  1. 本市の防災体制の確立
  2. 消防学校の施設及び用地の今後の活用

本市の防災体制の確立(1)


ともお

議長にお許しをいただきましたので、名古屋民主市会議員団を代表し、通告に従い、順次質問させていただきます。まず、この度の能登半島地震において、お亡くなりになられた方々に対し、心からお悔やみを申し上げます。そして、被災地の一日も早い復興をご祈念申し上げます。

それでは、まず初めに、「能登半島地震を踏まえた本市の防災対策」、本市防災体制についてです。
森ともお2月上旬、「NPO法人被災者応援愛知ボランティアセンター」主催のボランティア活動のため、能登半島に行かせていただきました。ぺしゃんこにつぶれた家屋、家具がこわれ、壁が落ち、地震の瞬間に、それまでの生活を一変させてしまった地震の脅威を目の当たりにし、改めて、本市にも、いつ来てもおかしくない南海トラフ巨大地震に向け、行政のみならず市民一人一人が、何をすべきかをより真剣に考えることの重要性を改めて感じた次第です。

能登半島地震において、例えば、輪島市では、市職員自身も被災し、当初参集ができたのは、2~3割の職員であったとの報道もありました。
発災時には、市の職員は災害時の情報収集・情報発信を初め、避難所運営など重要な役割を担っていることから、災害時の行政機能の確保を図るために、限られた人員の中で防災体制を確立していくことが重要です。


ともお

本市においては、業務継続計画を定めておりますが、過去の災害を踏まえて72時間で75%の職員が参集と想定しています。職員自身も自宅被害やご家族が負傷するなど被災者である中で、必ず業務に従事できるとも限りません。今回、被災地においては、職員も被災し、発災直後から人員が不足するなど、相当な混乱があったとも聞いています。今回の震災を踏まえ、こうした計画について、様々な視点から検証・見直しを図る必要があります。
また、今回被災地の人員不足に関しては、応急対策職員派遣、すなわち被災した自治体と支援する自治体がカウンターパート方式で様々な支援を行うなど、迅速な他地域からの応援は非常に重要であると再認識しました。今回の地震では、名古屋市と石川県七尾市がそれにあたります。

しかし、応援があったとしても、受け入れ側の準備がなければ、せっかくの応援も円滑に生かすことができないこともあります。今震災を踏まえ、必要な業務や役割などを改めて検証し、貴重な経験を無駄にせず、実効性あるものにしておく必要があります。
そこで、防災危機管理局長にお伺いします。今回の能登半島地震を踏まえて、行政機能を維持するために、本市の体制のみならず、他都市の応援も踏まえた実効性のある防災体制の確立が必要と思いますがどのようにお考えでしょうか。また、こうした発災時の防災体制の確立のためには、職員一人ひとりの防災意識の向上を図ることが、本市の防災力の向上には必要不可欠と思いますが、以上2点についてお考えをお聞かせください。

防災危機
管理局長

能登半島地震では、ライフラインも停止し、職員自身も多くが被災し、参集が困難だったものと認識。本市でも様々な事態を想定して、災害時には、限りある人員を必要な業務に割り当て、機能不全とならないように防災体制を確立しておくことは重要な視点。
本市においては、業務継続計画及び大規模災害時受援計画を定め、発災時の人員確保を含めた防災体制の確立を図ってきた。また、人員の確保にあたっては、熊本地震の教訓を踏まえ、南海トラフ巨大地震のような市内全域で指定避難所が開設されるような大規模災害を想定し、発災時に自己勤務場所以外の区役所へ直接参集する区指定動員の500名規模の人員体制の増強を行うなど、最前線となる避難所の人員を始めとする区本部の人員体制の増強を図ってきた。
一方で、現在国において、南海トラフ巨大地震を想定し、応援・受援となる自治体をあらかじめ定める、「南海トラフアクションプラン」の策定に向けた検討が進められているところである。本市では、こうした国の動向や能登半島地震を踏まえた地震対策に関する検証を踏まえ、必要な計画の見直しを検討してまいるとともに、関係機関も参加する市本部運営訓練などを通して、計画の実効性を高めてまいりたいと考えている。

また、職員の防災意識の向上は、議員ご指摘のとおり本市の防災における土台になる部分であると認識。現在、令和3年度に防災人材育成方針を策定し、全庁を挙げて取り組みを推進しているところであり、次年度には、新たなに災害対応の知見を有する外部コンサルタントを活用した区本部運営訓練の内容の拡充を行うとともに、新たに局長や区長、課長などの職階に応じた研修を行うなど、総合的な防災対応力の向上を図ってまいる。
さらに、今回の被災地支援においては、本市職員が、実際に避難所運営にあたり、住民のニーズ把握など厳しい状況に触れるなど、有意義で貴重な経験を得たところ。今後、こうした訓練・研修、被災地支援の経験を通して、防災人材の育成、ひいては本市の防災力の向上を図ってまいりたい。

本市の防災体制の確立(2)

~ 要望 ~

ともお

本市の防災体制の確立について、防災危機管理局より答弁をいただきました。ひとたび、この地域に大規模災害が発生した場合、被害の情報の集約、物資の供給の調整や避難所の運営など行政が担う役割は多く、そして迅速な対応が求められる重要なものばかりです。
森ともおやはり、公助の力には限界があり、230万人市民一人ひとりに市が手を差し伸べることは不可能でしょう。だからこそ、まずは市民一人ひとりの防災力を向上させることは重要です。しかしながら、発災時に人命を守り、迅速な復旧・復興を図るためには、行政の力も必要不可欠です。

能登半島地震を踏まえて、国は、「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」の見直しを、当初の令和6年春頃から延期する方針を明らかにしました。先ほどの答弁では、本市においても、計画の見直しを検討するとのこと。まもなく、次期災害対策実施計画が策定されますが、能登半島地震の検証結果は反映されていません。これら計画についても、必要な見直しを行い、防災体制の確立を図るようお願いいたします。

消防学校の施設及び用地の今後の活用(1)


ともお

続いて、「消防学校の施設及び用地の今後の活用」についてです。
能登半島地震では、本市消防局からも、発災直後の1月1日から、いち早く緊急消防援助隊が派遣され、要救助者の検索・救助活動や安否確認、救急車・航空機による負傷者等の搬送など、多くの活動を行っています。
被災地は、地震により道路も陥没や土砂崩れなどで寸断され、現地にたどり着くことさえ非常に困難な状況でした。
こうした大規模災害時には、派遣された消防隊は、原則、現地で野営とされており、本市を含む愛知県大隊は輪島市門前町を宿営場所とし野営を行っていたと聞いています。
強い余震が続く中、現地では、野営テントが降雪の影響で夜間につぶれ、消防車内に一時的に退避するなど、過酷な環境下で活動を続けたとも聞いています。愛知県以外の他自治体の派遣隊も苦慮したとのことでした。

さて、本市が大規模災害で被災した場合、他の自治体からの緊急消防援助隊の応援を受けることになります。
だからこそ、本市が被災地となった場合の応援部隊が集結し、最大限の活動ができる環境を整えておくことは被害を抑える上で重要です。
現在の本市消防学校は、緊急消防援助隊の宿営場所にも指定されていますが、今後、豊山町に新しい消防学校を共同設置したとしても、南海トラフ地震における本市の被害想定を踏まえると、市内にはこうした集結・宿営できる拠点は必要不可欠です。
今回の能登半島地震から得られた教訓を踏まえ、消防学校を愛知県と共同設置した後の現名古屋市消防学校の施設や用地について、本市が被災地となった場合に備え、今後消防局として有効に活用していく考えはないか、消防局長の所見を伺います。


消防局長

現在の名古屋市消防学校については、消防学校としての用途に加え、平時の用途として、消防音楽隊の業務や消防職員・消防団員が大規模災害時に必要な高度な知識・技術を習得する訓練を行う場としても活用しており、消防局として、これら用途については、消防学校を愛知県と共同設置した後も存続させていきたいと考えております。
また、本市消防学校は、本市が大規模災害の被災地になった場合において、緊急消防援助隊の進出拠点や宿営場所としても位置づけられております。

能登半島地震に本市から石川県に派遣された緊急消防援助隊においては、積雪によりテントが使用できず、トイレの絶対数も不足していたほか、停電により暖房器具・電子機器が使用・充電ができないなどの障害も発生し、派遣隊員は体調の維持すら困難な宿営状況の中で過酷な活動を強いられた実態があります。
このため、いかなる状況下においても派遣隊員が万全の態勢で活動できるよう進出拠点や宿営場所の環境を整えておくことは、本市における大規模災害時の被害を最小限に抑える上で極めて重要であると、能登半島地震から得られた教訓の一つとして、痛感しているところです。

消防局としましては、愛知県と共同設置した後の本市消防学校の施設及び用地の活用について、平時の「消防学校以外の用途」として必要な機能・規模を存続させるとともに、南海トラフ地震に備え、本市消防学校が有する大規模災害時に活用できる施設や、十分な広さの用地、高速道路からアクセスしやすい地理的な利点を活かしながら、緊急消防援助隊の進出拠点や宿営場所として、より有効に機能するものとなるよう早急に検討を進めてまいります。

消防学校の施設及び用地の今後の活用(2)

~ 要望 ~

ともお

消防局長より、「消防学校の施設及び用地について」答弁いただきました。直ちに検討を進め、有事の際、本市の応援に駆け付ける消防部隊等の進出拠点や宿営場所としても有効に機能するよう、早急な整備をお願いします。
例えば、現名古屋市消防学校にある、屋内訓練場は、風雨を避け天候に左右されずに一定数の隊員が宿営するのに非常に有効です。
今後、そうした現在ある施設の、より一層の活用法も含め、必要な設備整備や物品配備など、これまでの教訓をもとに、迅速な検討・実行をお願いいたします。

MoriTomoo

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