令和4年6月定例会 個人質問2022/06/24

6月定例会で、質問をいたしました。

  1. 学校におけるタブレットパソコンの活用について

学校におけるタブレットパソコンの活用について(1)

~ タブレット端末の予備機の充実を ~

ともお

学校におけるタブレットパソコンの活用について、本来であれば、タブレット端末の利点を駆使した授業について、先進校の実践をもとに、各学校においてよりよい授業ができるようにするための方策について、また、今年度は何とか国基準である4校に1人の配置がされたICT支援員の増員、また、十分でないWi-Fi環境の整備などについて議論をさせていただきたいところですが、今回は、そもそもタブレット端末が子どもたち一人ひとりに行き届いているのか、ということに視点を絞って質問をさせていただきます。

学校でタブレットパソコンの端末を有効活用するにあたり、当然、子どもたち一人ひとりに正常に機能するタブレット端末が行き渡っていることが必要であることは言うまでもありません。
ただ、授業の形態によっては、例えば4・5人のグループにタブレット端末が一つあれば、授業が成立する場合もあります。一方で、タブレット端末を使用しない授業があることもあります。
別の言い方をすれば、タブレット端末は、あくまでも、よりよい授業をするために有効な道具の一つであり、タブレット端末があれば、よい授業ができるわけではありません。
しかしながら、子ども一人ひとりにタブレット端末が行き渡っていないと成立しない授業も当然あります。


ともお

では、本市の小中学校におけるタブレット端末の配備の状況はどうなっているのでしょうか。以下、私が調査した数字をもとに話を進めます。
昨年9月、マスコミでも大きく取り上げられたある会社の大量の不具合が生じたタブレット端末については、対象となる63校に、5月以降、順次新たな機器が配備されており、1学期を目途に配備が完了すると聞いています。ただ、新たな機器が配備されたかといって、故障がないわけではないことは、容易に想像できます。

森ともお 一方で、本市に導入されている別の4つの会社のタブレット端末も含めた現在の実情について述べます。
具体的な数字を申し上げると、配備されたタブレット端末約16万4000台の内、「配備された時点で故障していたり使用中に故障してしまったりした端末」に加え、故意ではなく児童生徒が落として故障してしまった端末」の合計は6月20日時点で約3500台です。
昨年度末時点で、教育委員会が用意していたタブレット端末の予備機は約2100台。したがって、故障している約3500台から予備機約2100台を引いた台数約1400台が不足するという計算になります。すなわち、1400人の子がタブレット端末を使えない状況ということです。今日もそうです。

私が、いろいろな学校から聞き取りをした一例を紹介します。
■タブレット端末の修理は、早いと1か月、普通でも2か月、3か月かかることもある。画面割れやキーボードのボタンが外れるなど、テープで貼って我慢すれば使えるようなものは修理に出さずに使っている。なぜなら修理している間、その子に渡してあげる予備機がないから。同様のことを訴える学校は数多くありました。
■毎日、クラスの誰かのキーボードが外れている。修理には平均3か月かかるので、本当に使えなくなるまで修理に出すのを躊躇する。なぜなら端末の予備機がないから。
■クラスでタブレット端末がない子どもへの対応として、予備機がない場合、タブレットを使用しない時間のクラスの子のタブレットを貸してもらうという形で対応している。ただ、タブレットにはパスワードや個人情報といった課題もあるので、それを当たり前のようにすることはしにくい状況である。
■いたずらをして壊してしまう子がいるのも事実。でも何もしていないのに故障してしまい、タブレットが使えない子に、予備機がないから我慢してね、という状況はとにかく何とかしてほしい。

一方、保護者からは、学校に対し、次のようなクレームが多く寄せられているともお聞きしています。「なぜ故障した端末をいつまでも直してくれないのか」「なぜ、うちの子が壊したわけではないのに、修理にだしている間、予備の端末を貸してくれないのかな」正直、これが今の現実かと耳を疑います。
その一方で、子どもの数が減るなどして、少し端末が余っているような学校もあると聞いています。

私は、タブレット端末の予備機を必要数分準備し、どの学校も、故障した端末はきちんと修理に出せるようにし、子どもたちが安心して端末を使えるようにする必要があると思いますが、今までどのような対策を講じてきたのか。また、今後、どうしていくつもりなのか教育次長の答弁を求めます。


教育次長

これまでの対応といたしましては、修理中の予備機として、昨年度中に、児童生徒数の約1%に相当する1,600台ほどを各小・中・特別支援学校に配備するとともに、年度末にはさらに約500台を追加で調達しております。
ただ現状、議員ご指摘のとおり、年度替わりの際の児童生徒数の増加に伴う予備機の減少や、想定以上の故障の発生等により、端末を修理に出したくても出せていない学校があることは認識しております。
そのため、例えば一定の割合以上の予備機を保有している学校から端末を回収し、不足している学校に再配付するなどにより、できる限り全ての学校できちんと端末の修理を受けられるようにし、子どもたちが安心して端末を使えるよう努めてまいりたいと考えております。

学校におけるタブレットパソコンの活用について(2)

~ 再質問 ~

ともお

森ともお 台数の不均衡を是正すれば、状況が少しは改善されるかもしれないが、現在でも、修理が必要な端末が集中して発生するなどし、予備機が足らなくなっているのが現状です。
そこで、教育次長に再度質問させていただきます。
今すぐにでも、学校に配備している予備機を増台する予定はないでしょうか。ご答弁願います。


教育次長

現在、学校で修理に出したくても出せていない端末の台数について調査し、実際にどの程度の予備機の不足が生じているかについて確認を行っております。
その中で、仮に全校が修理に出したい端末を一斉に出した場合、現状全校に配備している予備機では不足する状態であることは認識しております。
調査の結果を踏まえ、必要と見込まれる台数を精査の上、できるだけ早く追加の予備機を学校に配備できるよう対応してまいりたいと考えております。

学校におけるタブレットパソコンの活用について(3)

~ 再々質問 ~

ともお

予備機の増台については、昨年度から副市長にも要望してきました。私には、十分な対応がされてきたとは到底思えません。
現在、1年生や2年生でタブレット端末をほとんど使用していない学校も多いと聞く。今後、とりわけ夏季休業を終えた2学期には、1年生も含めてより多くの子どもたちがタブレット端末を活用することになれば、当然故障する端末も比例して多くなることは容易に想像できます。
今日もタブレット端末が使いたくても使うことができない子どもが1400人いることを考えれば、一日でも早いタブレット端末の購入が必要不可欠であると思いますが、副市長として、今後どのように対応していくおつもりなのか、明確な答弁を求めます。


副市長

予備機の不足により、端末を修理に出したくても出せない学校があるという事態につきましては、大変子どもたちに申し訳ないことであると感じており、直ちに是正すべきであると考えております。
教育委員会に対しましては、予算執行を工夫するなど早急に対応策を検討するよう指示するとともに、一刻も早く、遅くとも今年度中には子どもたちがタブレットを使って学習に集中できる環境を整えられるよう共に取り組んでまいります。

学校におけるタブレットパソコンの活用について(4)

~ 要望 ~

ともお

副市長から「予備機の増台に向けて、予算執行を工夫するなどの対応を直ちにする」「今年度中の配備を目指してともに取り組む」との答弁をいただきました。
森ともおとにかく、タブレット端末を活用した授業をしたくても、クラスのすべての子に整っていないから、そのような授業ができない。とか、子どもにタブレット端末を持ち帰らせて活用させたいが、持ち帰ることができない子がいるから躊躇してしまうなどということがないように、とにかく直ちに年内、2学期内の配備を目指し、すべての配備完了もおそくとも年度内にしていただくことを、強く要望します。ただ、同じお金を使うのならば、少しでも早く配備していただくことが現場にとって必要なことであると思っています。
私は、純粋に感じることは、タブレットは精密機械なので、少なからず故障するし、子どもたちが授業に集中すればするほど、使えば使うほど壊れてしまうこともある。だから、それを見越して予備機を配備することは当たり前のことであり、でも、それがされていない今の名古屋市の現状に対する怒りしかありません。

最後に、冒頭少し述べた通り、タブレット端末に関わっては、課題が数多くあります。教育委員会におかれては、そういった課題に、これまで以上に一つ一つ丁寧に対応していただくとともに、すでに国に対して要望をしていただいている次の更新時の予算措置を含め、現段階から数年後には訪れる機器の更新を見据え、様々な検討をしていただくこと、そして、必要なものにはしっかりと予算措置をしていただくことを要望し私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

MoriTomoo

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